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頓珍館の雑学
28. 震災
今日（1／17）が阪神大震災の3周年に当たる(編者注)と言うので何日も前からテレビを始めあらゆるマスコミが特集を組んで居る。
私宅は豊中でも山手の方で、箪笥が倒れて下敷きにはなったが、冬の掛け布団に守られで怪我もしなかったし、家も殆ど被害は無かった。神戸では未だに4万もの人達が仮設住宅暮らしだそうで、お気の毒の至りと思うと同時に自分の幸運に感謝するものである。
被災者には失礼かも知れないが、考え様では時間が朝早くで良かった。もう少し遅ければ各家が火を使い出して居たろうから、火災による二次災害がモット大きくなって居たであろうが、同時に、果たして此れは100％天災だろうかと言った疑問も膨れ上がるのである。
地震の予知は1960年頃から喧しく取り上げられて来たが、マダマダ緒に着いた許り、データ不足で実用には程遠い段階にある。何百年、何千年に一回起こるかも知れないと言った様な大地震等、人間の命のスケールから外れ過ぎて手の着けようもないのである。
抑も、地球の表面はヒビ割れして十数枚に分かれた薄皮の様な地層で覆われて居る。此の一枚ずつを『プレート』と呼ぶが、日本列島は北西に横たわる『ユーラシア』、少し間隔を開けて南東に張り出して居る『太平洋』、其の間隔部を丁度本州の真ん中辺りで二分して北から『北アメリカ』、南から『フイリッピン海』、と呼ばれる4つの大きなプレートのブツカリ合った所に位置して居る。然も南側のプレートはズーッと毎年数センチのスピードで圧し上がり来つづけている。
だから日本列島はそうした力が基になって出来たのかも知れない。
プレー卜同士の境界線は当然大きな断層になって居るが、それ以外にも押されて出来た小皺の様な小亀裂即ち小断層が全国に無数にある訳である。そして押され続けて断層付近に貯まった歪みのエネルギーが爆発的に出てくるのが地震で、何時動き出すか判らないのが『活断層』だ。此の辺りが判り掛けて来てマダマダ日が浅いので『予知』は無理と割り切って、『防災』に力を入れる可きなのだ。
それにしても何れ来る危険を警告して居た学者も居たのに、強引な開発をして来た業者それを放置して居た行政、の責任は重いので多分に人災だったと言うのである。
それと同時に、例によって地球を1mのボールにすると、今回の地震などはタカダカ1mmの厚さの表皮が一寸傷ついた位のもので、人間にとっては『大震災』だったかも知れないが『大地震』などとは言えない。人間は大自然に対してモット謙虚になる可きだと思う次第である。
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