著者まえがき

子供の頃から本は良く読んだ方である。若い頃には書き物も割にして、アチコチ投稿した事もある。しかし戦争とその後の引っ越し等で、手元には蔵書も資料も殆ど残って居なくなった。

今頃になってセメて雑文集の一冊でも残して見ようか等と考えるのは、単なるトシヨリの自己満足でしかあるまい。
本心では、ドウセ書くのなら新世紀のヴィジョンを中心にして、色々な予想や希望を交えたエッセイの様な物を、と思うのだが少々纏めるのに自信が無い。結局は取り敢えず、ツレヅレなるままに、ワープロに向かい、其の折々に感じた事をソコハカと無く書き綴って行く事にした。

トンチンカンとは、終戦後の間も無い頃、某機関誌に投稿して連載したシリーズ物のエッセイに付けた標題であった。
祖国再建の槌音(つちおと)が、一見華々しく聞こえる様で、ドコかピントが外れて居る感じがアチコチにするので、其れを茶化したのである。私見では、此の言葉は元々鍛冶屋サンが刀など鍛えるのに、まず親方がトーンと打ち、相手方がテーンと打ち返し、トンテンカン、トンテンカンとリズム良く打つべき所を、弟子がチーンと打ち損なうとリズムが乱れてメチャクチャになる。そう言う所から来たものである(として置いて欲しい)。

標題もペンネームもトンチンカンなのだから、中身もアチコチ変な所もあろうが何卒(なにとぞ)ゴ寛容の程を予めお願いする次第である。

(このページに関する編者注)

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