DAINASHI TRIVIA
     

頓珍漢の雑学

「52. 麦秋」に関する編者注




著者が文末近く、「『貧乏人は麦を食え』と暴言を吐いた首相が居た事は忘れないで置きたい」と書いて「首相」は、1960年〜1964年に内閣総理大臣の職にあった池田勇人氏のことである。

著者が引用している発言は、吉田茂内閣の大蔵大臣だった時のもので、真意は異なっていたのだが、新聞の見出しで悪意をもって伝えられたものである。著者は新聞に影響され過ぎだ。まあこの話題が出た当時、世の中そのものが結構左翼チックだったし、何よりも当時購読していた新聞は、あの朝日新聞だった。

今となってはむいろ、彼の果たした大きな功績に、目を向ける必要があると考える。
何よりも、内政重視の政策を採り、「所得倍増計画」を打ち出したことである。
打ち出した当時、「『所得倍増』なんて、そんな夢みたいなことを・・・」と冷眼視する向きが多かったと記憶するが、結果的に「所得倍増」は現実のものとなり、その後も続く、日本の高度経済成長に繋がって行った。

奈良市民として忘れてはならないのは、現在の平城宮跡にあたる広大な敷地を、国費で買い上げたことである。近鉄が操車場の建設を計画していたのである。
これによって近鉄の操車場は西大寺に建設されることとなり、平城宮跡その後長い年月を掛けて発掘・復元が進んだ結果、1998年、東大寺等と共に、遂に世界遺産となったわけである。
さらに、敷地の一部が積水化学の工場敷地にかかっているが、奈良市の斡旋による移転計画が進んでいる。

現在も自民党にある「宏池(こうち)会」は、彼の流れを継いできた派閥である。自民党内では中道派で、ややハト派に位置する。

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(2014年9月 「注」として追加、11月追記・別ページ化)





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