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頓珍漢の雑学
47.
こどもの日
『こどもの日』は元来は『端午の節句』と言って『5節句』の一つであった。（別項『人日』、『上巳』参照）
戦後、それまでの祝祭日を沢山消して仕舞ったので罪滅ぼしに昭和23年に新しく国民祝日を制定して、5節句の代表として格上げ採用したのである。『子供の人格を重んじ、子供の幸福を図ると共に、母に感謝する日』なのだそうだ。男の子も女の子も一緒に祝って遣らなければならない見たいだが、その後、経済的にゆとりが出来て来ると雛祭りはドンドン贅沢になるし、『母の日』は5月の第二日曜日（アメリカの国民祝日）に別途にするのが一般的になった。
『端午』と言うのは最初の午（ウマ）の日で、『三統歴』（別項『上巳』参頗）では5月は午の月だから午／午から5／5となる。この日は3／3と同じ様に縁起の悪い日とされ、（忌日 と言う）厄除け）の行事が色々行われて来たのである。
だから元来は中国からの輸入だが、日本では丁度その頃『流鏑馬』等の神事を行う所が多かった。平安時代から鎌倉時代へ、武士階級が勢力を伸ばし又その頃に咲く菖蒲（『尚武』 武を尊ぶ、ショウプに通じる）を組み込む様になり日本式になって来た。
室町時代には鎧、兜、武者人形が飾られる様になり、江戸時代になると鯉幟り其の他、現在見られる飾り物は殆ど揃って来た。
鯉が出て来るのは『易学』の影響である。鯉は6×6=36枚の鱗を持ち『陰の極』を、竜は9×9＝81枚の鱗を持って居て『陽の極』を表して居る。鯉は何れ『登竜門』を潜り抜けて竜になる。ドン底から這い上がって幸せの極みに達する希望を男の子に託して鯉幟りを立てる訳である。
何れにしろ、中国から宮中に入り、次第に一般にまで浸透した様子、初め忌日の穢除けに紙で人形を作って体を拭い川に流して居たのから段々に変化して人形を飾る様になった事など男女の両節句に共通して居る所が面白い。
更に又、『チマキ』は中国の戦国時代、楚の屈原なる人が川で身を投げ、姉が5／5の忌日に餅を作って川の精（竜神）に供えた、と言う故事から始まったと伝えられて居る。此れは雛祭りの『菱餅』が『人身御供』になるべき娘を助ける為に竜神に供えた餅が始まりだと言うの似て居て興味深いものがある。
『こども』は本来『子』の複数形である。最近の様に少子化が進んで一人っ子の家が増えると、一家だけでは『こどもの日』は祝えない理屈になる。皆で全部の子供たちの幸せを考える日、とする可きかと思うのである。
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